FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.03

クラウス・オガーマンが最高得点とは、これ如何に?

後藤:
面白いですねー、クラウス・オガーマン、こんなもんが高得点なんだ。皆さんが出されたこのリスト、実に面白い。
村井:
最高得点がおもしろい、笑えるんだよ。チャーリー・ヘイデンとマーク・ジョンソンとクラウス・オガーマン、この3つが最高得点って、なんだおまえらこういうのが好きなのね。(一同爆笑)

Cityscape / Claus Ogerman & Michael Brecker

The Ballad of the Fallen / Charlie Haden

Second Sight / Marc Johnson's Bass Desires

Extensions / Dave Holland

後藤:
この予選リスト、そのまま掲載したらおもしろいよ。
須藤:
クラウス・オガーマンって時代感じないんだなぁ、とかね。
後藤:
あれ、結構出来いいもん。
村井:
意外とああいうのって点数入るんだよね。
後藤:
これはいい。
村井:
いやでも、これ、例えばベスト20で出してくださいって言われたら、落ちる可能性があるんだよね。そうなると。これは30-40枚選んでいるから入っているってことがあるわけで、20枚なら1位じゃないですよね。
後藤:
あっ、そうだよね、確かに20枚だったら入れないよな。
村井:
それがおもしろいよね。
後藤:
20枚だったら絶対オガーマンは入らない。
須藤:
80年代の代表かって言われたら、違いますよね。
後藤:
それはそうでしょう。
村井:
でもこの驚くべき結果はやっぱり公表すべきだと思いますけどね(笑)。おもしろいよ、これ。
後藤:
『MOBO』なんて、俺入れていたんじゃないの?
村井:
え? モボ? 後藤さん入ってないんだよ。入れます? そうすると4票獲得(笑) 。

MOBO / 渡辺香津美

後藤:
おかしいじゃん。偏っているよ、そんなもん(笑)。
村井:
そこが80年代の怖いところ。(一同爆笑)
後藤:
あー、入れてないかもしれない。
村井:
あと、点が割れる人っているんですよ。名前はいっぱい出てくるけど、アルバム単位では2点とか、1点とか。
益子:
人によって選ぶアルバムが違うんですよ。
須藤:
マイルスがひどいですよね。キップ・ハンラハンも割れちゃっているんですよ。
後藤:
あ、『MOBO』入れてないや。個人的にいいアルバムだな、と思っているけど入れちゃいないや。
村井:
なるほど。キース・ジャレットの『スタンダーズ vol.1』とチック・コリアの『スリー・クァルテッツ』、ここまでの60枚が複数票入っているんですね。

Standards Vol. 1 / Keith Jarrett

Three Quartets / Chick Corea

後藤:
おもしれーなー。これを見ると誰と誰の連帯率が高いとかさ。
益子:
えっ、連帯率?(笑)
須藤:
好みが見えるんですよ。
村井:
俺は複数票がやたら多いということがわかりました。わりと、みんなが好きなものが好きなやつなんだなあ、って。でも、ウェザー・リポートってほとんど出てこないなぁ。
後藤:
ウェザー、入ってないの?
村井:
『プロセッション』を益子さんが選んでいて、あとはないのかな?
須藤:
ウェザーは1枚しか入ってないです。僕はジョー・ザヴィヌルの『ダイアレクツ』を入れました。

Procession / Weather Report

Dialects / Joe Zawinul

後藤:
ザヴィヌル・シンジケイトでしょ?
須藤:
いえ、ソロの。
後藤:
あ、そうか。
村井:
ウェザーのセルフ・タイトルのやつって80年代だよね?
須藤:
81年。
村井:
『ナイト・パッセージ』は? あれ80年?
須藤:
80年ですかね。
村井:
そうか。普通入れてもいいよね。自分が入れてないくせに言うのも変か(笑)。なんで入れてなかったのかなぁ。
須藤:
なんか聴かないですよねぇ。
後藤:
『ナイト・パッセージ』って、花火みたいなジャケットだっけ?
村井:
火山の噴火のジャケット。
須藤:
エリントンの曲とかやっているやつですね。
後藤:
「ロッキン・イン・リズム」か。
村井:
そうそうそう。

Weather Report / Weather Report

Night Passage / Weather Report

後藤:
なんで入れてないんだろう。結局、あの頃の話題作も21世紀になると印象が薄くなっているってことだね。出た当時だったら絶対ウェザー何枚も入っちゃうと思う。
須藤:
次の展開(次作)が見えちゃってて、そっちのほうがもっと面白くなっていること知っているし、あと今聴いていると結構辛いところもある。
後藤:
まぁ、もう入れなかったものは入れなかったことにしましょう。6枚のうちで最後に記憶に残っているのはやっぱり『ナイト・パッセージ』だなぁ。それから後になると、もう記憶が混濁してきちゃう。それにしてもクラウス・オガーマンがトップって、やっぱりおかしいよね。
村井:
いや、4点獲得のトップが4つある、と。
後藤:
みんなが選んだ結果だからしょうがないよね。
須藤:
デイヴ・ホランド、マーク・ジョンソン、チャーリー・ヘイデンは順当かなぁと思うけど。
村井:
でも、この『セカンド・サイト』っていうのは我々の間でものすごい人気だけど、一般的にはどうかっていうとね。だからかなり特殊といえば、特殊だよ。
後藤:
ふーん、面白いなあ。どこまで自動的に決まるようになるの?
益子:
2票獲得までは一応自動的に100枚に入れる予定なんですけど、改めて一通り見て、これは外してもいいだろう、という話はありです。
須藤:
一本化話はかなりありますよね。
後藤:
それはあるよね。ジェリ・アレンなんかそうしたほうがいいんじゃないの?
須藤:
パット・メセニーとか、ジョン・スコフィールドとか。
後藤:
そうだよね。2枚入れることはないけれども、っていうのはあるよね。
須藤:
2枚入れるなら、2枚入れる意味あるでしょ、ってことになるし。
後藤:
あー、でも今こうやってみると、ECM結構多いなぁ。
須藤:
すみません、私のせいです。たくさん選びました。
原田:
すごく多い。
後藤:
須藤さんのせいってことはないでしょう。他の人も入れてなければこうはならないもの。
村井:
特にECMを意識していなかったかもしれないけど、結果として多かった。
後藤:
やっぱり、質が高いってことだろうな。
須藤:
ECM的には70年代終わりから80年代、いい時期なんですよね。
村井:
いい人がまだECMにいたんだよね、やめちゃった人もいるけどね。
原田:
ECMはがんばっていた。
後藤:
ひとりのミュージシャンでたくさん票が入っているケースは集約するという話もあるね。そうしないとちょっと多すぎる。
原田:
そうやってやると、このアーティストにはこの人は入れてないとか、特に力強く入れているとかわかるんですね。
後藤:
そういうことになりますね。
須藤:
ウィントンはやっぱり、1枚にしようよ、とか。
後藤:
そう、ウィントンが入っているってことでいいんだから。
村井:
2票以上のところで、複数のアルバムが入っているのは、パット・メセニー、ハービー・ハンコック、特にメセニーが多いね。
後藤:
やはり、それは減らしたほうがいいんじゃない。
益子:
入れる正当な理由があればいいんですけど、それはこれから検討していきましょう。
村井:
メセニー・グループが3種類あるね。

Travels / Pat Metheny Group

Offramp / Pat Metheny Group

First Circle / Pat Metheny Group

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。