2枚のどちらを選ぶか? その基準をどこに置くか?
- 益子:
- あと複数出てくるのが、キース・ジャレット。『スタンダーズVol.1』か、『スタンダーズ・ライヴ』か。
- 村井:
- これはどっちでもいいです(笑)。どっちでもいいっていうのは、ヘンな言い方だけど、自分が家で聴いたりする回数が多いのは、『スタンダーズ・ライヴ』なんですけど、『スタンダーズVol.1』だってものすごくいいし、衝撃度は『スタンダーズVol.1』のほうが大きかったですけどね。
- 後藤:
- クオリティは互角だと思うんですよ。衝撃度では最初聴いたとき、えっと思った『スタンダーズ Vol.1 』ですかね。
- 村井:
- そうすると、キースの『スタンダーズVol.1』でいいんじゃない。ただ、キースって、80年代は『スタンダーズ』しかやっていないから、これ1枚しか出てこないってことだよね。ソロって、80年代何か選ばれているんでしたっけ?
- 須藤:
- 2枚しか出てないんじゃないですか。80年代って殆どないんですよ。
- 村井:
- (キースのディスコグラフィーを見ながら)『コンサーツ』ってなんだっけ?
- 須藤:
- 3枚組のソロ・ピアノですね。
- 後藤:
- あんまりおもしろくなかったなあ。
- 村井:
- 『インヴォケイションズ』、『スピリッツ』。
- 後藤:
- あれはぜんぜんおもしろくない。
- 村井:
- あとは『スタンダーズ』が続きまして、『ダーク・インターヴァルズ』、これ日本のソロのライヴですよね。短いのが延々続くの。「ミュージック・マガジン」で脇谷さんが0点つけたんだよね(笑)。
- 益子:
- それでは80年代のソロはいらないってことで。
- 後藤・須藤:
- いらないんじゃない。
- 後藤:
- とりあえず、『スタンダーズVol.1』でいいんじゃないの。
- 村井:
- キースの場合は確かにコンセプト一緒なので、2枚選びにくいんですよね。このあといくとね、『スタンダーズVol.1』『スタンダーズVol.2』『スタンダーズ・ライヴ』このあとマンネリ感が強くなっていくんだよね。
- 須藤:
- ポール・モチアンとやっている『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』はいいアルバムだけどあれは、90年代ですよね。
- 後藤:
- あれはいいけどね。
- 益子:
- ジェームズ・ブラッド・ウルマー、これも『アー・ユー・グラッド・トゥ・ビー・イン・アメリカ?』と『ブラック・ロック』。
- 村井:
- あ、これは、僕が『ブラック・ロック』っていったんですよね。いいです、はずしちゃって。
- 益子:
- 次はスティーヴ・コールマン。『オン・ジ・エッジ・オヴ・トゥモロウ』と『シネ・ディエ』ですが、僕、作品としては明らかに『シネ・ディエ』がいいと思うんですけど、入手困難なんですよね。
- 村井:
- とにかくこれは今聴けないんだよね。(注: 現在はスティーヴ・コールマンの公式サイトから無料ダウンロード可能)
- 益子:
- パンジアっていうマイナー・レーベルから出ていたんですけど。
- 須藤:
- あそこからキップ・ハンラハンも出しているしね。
- 後藤:
- 入手困難なものはあんまり挙げないようにしたほうがいいの?
- 村井:
- これはどうしても選ばなきゃいけないでしょう、というのはいいと思うんだけど。
- 後藤:
- でもね、『オン・ジ・エッジ・オヴ・トゥモロウ』と『シネ・ディエ』って、結構アルバムの性格が違うように思うんだよね。ポピュラリティーというか、アルバムとしての完成度は『シネ・ディエ』のほうが高いように思うけどね。
- 須藤:
- 2年違いでしたっけ?
- 後藤:
- わりに聴き易くなっていて、ポピュラリティーもあって、それで彼のやりたいこともやっているんじゃないですか。微妙だなぁ。
- 原田:
- 僕は『シネ・ディエ』に入れています。
- 後藤:
- じゃぁ、『シネ・ディエ』にする? 入手困難だけど。
- 原田:
- じゃ、僕が焼きましょう。
- 益子:
- 言っちゃいましたよ(笑)。再発を望むってことで入れましょう。
- 村井:
- 『オン・ジ・エッジ・オヴ・トゥモロウ』は3票入っているけど、ファイヴ・エレメンツが2枚あってもつらいので、これは落とすってことで。
- 益子:
- 次はポール・ブレイ。
- 村井:
- 『フラグメンツ』が3票、『ポール・ブレイ・クァルテット』が1票?
- 須藤:
- チェット・ベイカーとのデュオっていうのを挙げたんですが。
- 後藤:
- えっ、そんなのあるの?
- 須藤:
- それ、なかなかしみじみしていてよかったので挙げたんですけど、スティープル・チェイス盤の『ダイアン』。
- 後藤:
- あっ、思い出した、そういうのあったね。
- 益子:
- ポール・ブレイのトリオが入っていますね、原田さん。
- 原田:
- いや、これ、ジミー・ジュフリー亡くなっちゃったなぁ、としみじみ。
- 後藤:
- なんていうアルバム?
- 原田:
- 『ザ・ライフ・オヴ・ア・トリオ』、アウル盤ですね。
- 村井:
- 『フラグメンツ』と『ポール・ブレイ・クァルテット』なら僕は『フラグメンツ』だと思うんだよね。あれはほぼメンバー一緒で、続編なんですけど、緊張感が100倍ぐらい違うんだよね。
- 須藤:
- じゃ、『ポール・ブレイ・クァルテット』はまず、落としましょう。
- 村井:
- 『ザ・ライフ・オヴ・ア・トリオ』と『ダイアン』はね、まぁこれは別ものですから、それはちょっとおいておきましょうか。
※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。


