FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.12

2枚のどちらを選ぶか? その基準をどこに置くか?

益子:
あと複数出てくるのが、キース・ジャレット。『スタンダーズVol.1』か、『スタンダーズ・ライヴ』か。
村井:
これはどっちでもいいです(笑)。どっちでもいいっていうのは、ヘンな言い方だけど、自分が家で聴いたりする回数が多いのは、『スタンダーズ・ライヴ』なんですけど、『スタンダーズVol.1』だってものすごくいいし、衝撃度は『スタンダーズVol.1』のほうが大きかったですけどね。
後藤:
クオリティは互角だと思うんですよ。衝撃度では最初聴いたとき、えっと思った『スタンダーズ Vol.1 』ですかね。
村井:
そうすると、キースの『スタンダーズVol.1』でいいんじゃない。ただ、キースって、80年代は『スタンダーズ』しかやっていないから、これ1枚しか出てこないってことだよね。ソロって、80年代何か選ばれているんでしたっけ?
須藤:
2枚しか出てないんじゃないですか。80年代って殆どないんですよ。
村井:
(キースのディスコグラフィーを見ながら)『コンサーツ』ってなんだっけ?
須藤:
3枚組のソロ・ピアノですね。
後藤:
あんまりおもしろくなかったなあ。
村井:
『インヴォケイションズ』、『スピリッツ』。
後藤:
あれはぜんぜんおもしろくない。
村井:
あとは『スタンダーズ』が続きまして、『ダーク・インターヴァルズ』、これ日本のソロのライヴですよね。短いのが延々続くの。「ミュージック・マガジン」で脇谷さんが0点つけたんだよね(笑)。
益子:
それでは80年代のソロはいらないってことで。
後藤・須藤:
いらないんじゃない。
後藤:
とりあえず、『スタンダーズVol.1』でいいんじゃないの。
村井:
キースの場合は確かにコンセプト一緒なので、2枚選びにくいんですよね。このあといくとね、『スタンダーズVol.1』『スタンダーズVol.2』『スタンダーズ・ライヴ』このあとマンネリ感が強くなっていくんだよね。
須藤:
ポール・モチアンとやっている『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』はいいアルバムだけどあれは、90年代ですよね。
後藤:
あれはいいけどね。
益子:
ジェームズ・ブラッド・ウルマー、これも『アー・ユー・グラッド・トゥ・ビー・イン・アメリカ?』と『ブラック・ロック』。
村井:
あ、これは、僕が『ブラック・ロック』っていったんですよね。いいです、はずしちゃって。
益子:
次はスティーヴ・コールマン。『オン・ジ・エッジ・オヴ・トゥモロウ』と『シネ・ディエ』ですが、僕、作品としては明らかに『シネ・ディエ』がいいと思うんですけど、入手困難なんですよね。
村井:
とにかくこれは今聴けないんだよね。(注: 現在はスティーヴ・コールマンの公式サイトから無料ダウンロード可能)
益子:
パンジアっていうマイナー・レーベルから出ていたんですけど。
須藤:
あそこからキップ・ハンラハンも出しているしね。
後藤:
入手困難なものはあんまり挙げないようにしたほうがいいの?
村井:
これはどうしても選ばなきゃいけないでしょう、というのはいいと思うんだけど。
後藤:
でもね、『オン・ジ・エッジ・オヴ・トゥモロウ』と『シネ・ディエ』って、結構アルバムの性格が違うように思うんだよね。ポピュラリティーというか、アルバムとしての完成度は『シネ・ディエ』のほうが高いように思うけどね。
須藤:
2年違いでしたっけ?
後藤:
わりに聴き易くなっていて、ポピュラリティーもあって、それで彼のやりたいこともやっているんじゃないですか。微妙だなぁ。
原田:
僕は『シネ・ディエ』に入れています。
後藤:
じゃぁ、『シネ・ディエ』にする? 入手困難だけど。
原田:
じゃ、僕が焼きましょう。
益子:
言っちゃいましたよ(笑)。再発を望むってことで入れましょう。
村井:
『オン・ジ・エッジ・オヴ・トゥモロウ』は3票入っているけど、ファイヴ・エレメンツが2枚あってもつらいので、これは落とすってことで。
益子:
次はポール・ブレイ。
村井:
『フラグメンツ』が3票、『ポール・ブレイ・クァルテット』が1票?
須藤:
チェット・ベイカーとのデュオっていうのを挙げたんですが。
後藤:
えっ、そんなのあるの?
須藤:
それ、なかなかしみじみしていてよかったので挙げたんですけど、スティープル・チェイス盤の『ダイアン』。
後藤:
あっ、思い出した、そういうのあったね。
益子:
ポール・ブレイのトリオが入っていますね、原田さん。
原田:
いや、これ、ジミー・ジュフリー亡くなっちゃったなぁ、としみじみ。
後藤:
なんていうアルバム?
原田:
『ザ・ライフ・オヴ・ア・トリオ』、アウル盤ですね。
村井:
『フラグメンツ』と『ポール・ブレイ・クァルテット』なら僕は『フラグメンツ』だと思うんだよね。あれはほぼメンバー一緒で、続編なんですけど、緊張感が100倍ぐらい違うんだよね。
須藤:
じゃ、『ポール・ブレイ・クァルテット』はまず、落としましょう。
村井:
『ザ・ライフ・オヴ・ア・トリオ』と『ダイアン』はね、まぁこれは別ものですから、それはちょっとおいておきましょうか。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。