ウィントン、ハンコック、ペトルチアーニはどれを残すのか?
- 村井:
- で、次、処理の必要があるウィントン・マルサリス(笑)。『マルサリスの肖像』に『ライヴ・アット・ブルース・アレイ』。
- 後藤:
- あれもいい演奏だけどね。
- 村井:
- 『ジャズ・メッセンジャーズ・フィーチャリング・ウィントン・マルサリス』。
- 後藤:
- デビュー・アルバムだよね。これ、いろんなかたちで出ているからややこしいんだけどね。
- 村井:
- それから、まだあるの。『Jムード』『スタンダード・タイム』。ジャズ・メッセンジャーズの『アルバム・オヴ・ジ・イヤー』ってのもウィントンじゃない? 『バースデイ・コンサート』もそうじゃない?
- 後藤・須藤・益子:
- 『バースデイ・コンサート』ってのは知らないなぁ。(後に『ジャズ・メッセンジャーズ・フィーチャリング・ウィントン・マルサリス』と同一音源と判明)
- 村井:
- 知らないと落ちるよ。
- 後藤:
- 80年代なんだから、話題になったウィントンは入れておかないと。
- 村井:
- あと、ハンコックの『クァルテット』も、というようにウィントンは多いんですよ。まぁ、何枚選ぶかっていうのもありますが、どういう基準でというのも検討しないと。
- 益子:
- アート・ブレイキー名義のは1枚でいいんじゃないですかね。
- 後藤:
- もちろん。
- 村井:
- じゃ、どれがいいのか。『アルバム・オヴ・ジ・イヤー』も後藤さん選んでいるよ。
- 後藤:
- どっちがいいっていうか、衝撃度で『ジャズ・メッセンジャーズ』でしょう。それでデビューしたんだから。
- 村井:
- じゃ、ここは勇気をだして選んでみよう。それで、『アルバム・オヴ・ジ・イヤー』と『バースデイ・コンサート』は消さしてもらって、『ジャズ・メッセンジャーズ・フィーチャリング・ウィントン・マルサリス』を残して。ただね、複数票のものはちゃんと考えなきゃならなくて、『マルサリスの肖像』はいわゆるメジャー・デビュー作。ハンコックの『クァルテット』、それとちょっと後だけど『ライヴ・アット・ブルース・アレイ』、あと『Jムード』と『スタンダード・タイムvol.1』が3票。
- 後藤:
- 『Jムード』は俺が入れただけだったら削除でいいです。例えば『マルサリスの肖像』が入れば、『Jムード』はいいよ。
- 村井:
- 『マルサリスの肖像』を入れますかね。あと、『ライヴ・アット・ブルース・アレイ』と『スタンダード・タイムvol.1』は時期的に近いのね。スタジオ盤とライヴ盤みたいな違いはありますけど。メンバーもほぼ一緒だし。
- 益子:
- 複数票優先でいいんじゃないでしょうか?
- 村井:
- 『ライヴ・アット・ブルース・アレイ』にしますか。じゃこれを活かして、『Jムード』と、『スタンダード・タイムvol.1』と落として、ウィントン80年代前半と後半に1枚ずつ。
- 後藤:
- ということで、『マルサリスの肖像』、『ライヴ・アット・ブルース・アレイ』、それと『ジャズ・メッセンジャーズ・フィーチャリング・ウィントン・マルサリス』の3枚ね。
- 妥当なんじゃないの。やっぱり実力ある人なんだもん。
- 村井:
- もう少し大編成的なものは最初からノミネートもされていませんでしたね。『マジェスティー・オヴ・ザ・ブルース』は何年だっけ?
- 後藤:
- あれは80年代の終わり。でもあんまりおもしろくないの。
- 村井:
- では続けてハンコック問題。ハンコックは『クァルテット』と『トリオ81』でこの2枚だけなんですね。
- 後藤:
- 『マルサリスの肖像』と一部のセッションはかぶっているんだよね。
- 村井:
- 何故かハンコックは、エレクトリック系が1枚も今回ノミネートされていないんですよね。整理するという意味ではハンコック・クァルテットを落として、同じ時期のトリオ・セッションのほうを残すってことになりますかね。
- 後藤:
- 異論はありません。
- 益子:
- 次はミシェル・ペトルチアーニ。『ピアニズム』と『ミシェル・ペトルチアーニ』ですね。
- 村井:
- 僕は個人的に好きなのは、『ピアニズム』なんですけど、どっちか1枚なら、1枚目の『ミシェル・ペトルチアーニ』を残しましょう。
- 須藤:
- 次のアリルド・アンデルセンの『モルデ・コンサート』、このアルバムはビル・フリゼールが弾きまくっているんですよね。
- 益子:
- 後年のイメージが全然ないですよね、この演奏には。それとこのアルバムって、総論の時に話した意外な組み合わせの一つなんですよね、ECM独特の。
- 須藤:
- アリルド・アンデルセンに、アルフォンソ・ムゾーン、ジョン・テイラー、ですよ。
- 益子:
- 各国代表って感じですよね。他にアリルド・アンデルセンありましたっけ?
- 須藤:
- いえ、この1枚ですね。スティーヴ・キューン&シーラ・ジョーダン、渋いアルバムですよね。これはCDになってないんですよね。
- 村井:
- ECMが重なっていますね。
- 須藤:
- 1曲目のイメージが強すぎるんですよね。後半はスタンダードなんですけど。
- 村井:
- じゃ、これは入れておいていいんじゃない。
- 益子:
- この頃のスティーヴ・キューンって、結構いいんですよね。
- 須藤:
- 全然CD化されてないんですよ。『ノン・フィクション』とか。アルバムのバランスとかで聴くと、アイヒャーが嫌いなんだなって思うんですよ。だからこの『ラスト・イヤーズ・ワルツ』も1曲目と2曲目以降のイメージが全然違うので、そういうの嫌う人だから。
- 益子:
- それでは、残していいですね。次は、レスター・ボウイ『ザ・グレイト・プリテンダー』
- 村井:
- レスター・ボウイはブラス・ファンタジーは入ってないんですね。アート・アンサンブルはどうなんだっけ?
- 須藤:
- 『サード・ディケイド』(84)と『アーバン・ブッシュメン』(80)が入っています。
- 村井:
- まあ別だと考えていいでしょうね。
- 後藤:
- 別でしょう。いいんじゃない、これで。
- 村井:
- 次はジャコ・パストリアス。これしかないんだよ。いいんじゃない。
- 益子:
- で、問題のマイルスがやって参りました(笑)。
- 村井:
- 『ウィ・ウォント・マイルス』が2票、『スター・ピープル』1票、『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』が後藤さん1票。まぁ、 『ウィ・ウォント・マイルス』が2票入っているので、入れていただきたいなぁ、と思うんだけど。後回しにしませんか。
- 須藤:
- 100枚切っちゃうかもしれないし。
※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。


