FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.25

4枚組ボックスでも入れるのか?

原田:
次は、『インタープリテイションズ・オヴ・モンク』。これ、4枚組なんですよ。
益子:
まぁ、ヴォリュームが多いのはいいんですけど、内容的にはどうなんですか?
村井:
僕、入れてないんですけど、今日持ってきました。これ、とんでもない人たちなんですよ。ドン・チェリー、スティーヴ・レイシー、リチャード・デイヴィスとか、オリジナルのモンク・バンドの人達もいるし、フリーの大御所の人達もいてモンクの曲をやり倒すというなかなか強力なアルバムなんですよ。
原田:
ただ、これ全部聴くと5時間ぐらいあるんですよ。
村井:
でも1枚ぐらい、このぐらいのヴォリュームの強力なのがあってもいいかな、と思うんですよ。
原田:
凄くみんな気合いが入っています。チャーリー・ラウズもいいですよね。ほんとうに息の長いミュージシャンでした。
村井:
これもまた80年代の風景の一つって感じがしますけどね。フリーの人達が歳とってきて、モンクをやる。
後藤:
オレは聴いてないから何とも言えないけど。村井さん、原田さんが推薦するならいいんじゃない、2票ってことで。
益子:
じゃ、次。リッキー・フォード『テナー・フォー・ザ・タイムス』。
須藤:
イチ押しなんでしょ?
原田:
こういう人をしっかり押さえておきたいと思うんです。
後藤:
原田さんがイチ押しだっていうなら、オレも入れてあげてもいいよ。
須藤:
出た、2票(笑)。
後藤:
これは知っているけど、いいアルバムなんですよ。盲点的ですけどね。
原田:
ジャケットも冴えませんけどね。これミューズなんですね。
後藤:
うーん、そのジャケットとミューズってことで二の足踏むし、みんな大偏見持ちがちだけど、中身はいいのもあるんだよ。
村井:
さて、ベニー・ウォレス『ザ・フリー・ウィル』。ベニー・ウォレスはどれがいいかっていう問題があるんですよね、僕は入れなかったけど。
原田:
エンヤの初期のベニー・ウォレスはいいんですよ。
村井:
これってメンバー誰でしたっけ?
原田:
トミー・フラナガン、エディ・ゴメス、ダニー・リッチモンド。
後藤:
この頃のってどれがいいんだか、忘れちゃった。
原田:
チック・コリアとやったもののほうが話題になりましたけどね。ちょっと聴きましょう。

♪ベニー・ウォレス『ザ・フリー・ウィル』より「ウォルター」。

村井:
僕、ベニー・ウォレスは1枚欲しいなって思っていたんですけども、何がいいかは、考えあぐねていたんです。
原田:
必ずしもこれじゃなくても、という感じもします。ピアノが普段は入っていませんから。ベニー・ウォレスは、『プレイズ・モンク』というアルバムがあって、「スキッピー」というモンクの中でも相当ヘンな曲をやっているんです。
後藤:
これいいじゃん。
須藤:
エディ・ゴメスは珍しいですね。
村井:
いや、エディ・ゴメスはこの頃のエンヤのベニー・ウォレス多いんだよ。
後藤:
ベニー・ウォレス1枚入れてもいいんじゃない、どうですか?
村井:
入れるとすると80年代に入ってからでしょう。
須藤:
70年代ではないですよね。
村井:
90年代でもますますない。僕はブルーノートの『トワイライト・タイム』も好きなんです。ジョン・スコが入っているやつ。どうでしょう? 僕はベニー・ウォレスを入れたいという意味でマルにしたいです。
後藤:
ぼくも反対しないです。
須藤:
選んでいる中で、こういうのは少ないですからあってもいいです。
後藤:
ベニー・ウォレスって入れるとなると80年代でしかないものね。これ演奏いいし。
益子:
ではマルってことで。次はラスト・イグジット『ザ・ノイズ・オブ・トラブル』。
原田:
これはうるさいですよね。この過剰なうるささがイイですね。
村井:
後藤さん好きでしょう?
後藤:
人の顔見ないでよ(笑)。どんなジャケットだっけ? これ。
須藤:
マルに人がいるマークみたいなの。
後藤:
あ、わかった。別に反対しないですよ。
村井:
これも80年代の風景だなって感じですね。
原田:
ビル・ラズウェル絡みですね。
須藤:
シャノン・ジャクソン、ペーター・ブロッツマン、ソニー・シャーロックなど。
村井:
どうしましょうね、むちゃくちゃ、うるさいよ。
須藤:
なんとも踏ん切りがつかないバンドだよなぁ。
益子:
ちょっと保留にしますか?
村井:
はい、じゃ最後はポール・ブレイ、ジミー・ジュフリー、スティーヴ・スワローの『ザ・ライフ・オブ・ア・トリオ:サンデイ』。これってサタデイとサンデイがあるんでしたっけ?
須藤:
そうです。
原田:
特になくてもいいという感じになってきました。『フラグメンツ』もあるし。
須藤:
ジュフリー的にはピーク越えていますからね。
原田:
『ジュフリーIII』でスティーヴ・スワローがエレクトリックになっていて、非常に妙な感じがしていいんですが、まぁアルバム1枚、2枚飽きずに聴けるかっていうとそうでもないってことからまぁ、これはなしでもよかろうかと。
村井:
では、これはなしで。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。