FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.30

ケニー・バロンを止めたら替わりに何を入れるべきか?

原田:
それじゃ、あれなんで、僕、ちょっとケニー・バロンを下げて、ひと枠を△で争うっていうのはどうですか?(笑)
一同:
爆笑。
村井:
△はライル・メイズ、日野皓正、グローバー・ワシントン・Jr.、フレッド・フリス。
益子:
メセニーとオーネットは△のままですよね。『80/81』と『ヴァージン・ビューティ』があって、『クエスチョン・アンド・アンサー』はどうしたんだっけ?
須藤:
入れてないです。
後藤:
保留でしょ。
村井:
じゃ、それもあるんだ。ではまず、『ヴァージン・ビューティ』からいってみよう。僕は入れなくてもいいような気がする。
益子:
僕もオーネットは1枚でいいと思います。
須藤:
僕もオーネットは1枚あればいいと思います。
村井:
で、『80/81』は、いろんな意味で入れたほうがいい気が僕はしています。メセニー、オーネットに関しての僕の意見はこれね。
須藤:
僕も右に同じです。
村井:
『クエスチョン・アンド・アンサー』に関しては入れてもいいんだけど、そこまでして入れなくてもいいと思っているの。メセニーはいっぱいあるってことも考えて。もちろん、悪いアルバムではないけどね。メセニー全体の中での意味でいうとなくてもいいかな、って思うんです。
後藤:
まぁ、いいんじゃないですか。
村井:
だから、例えば『80/81』が残って、ケニー・バロンの座を奪う、という。そうすると100枚決まっちゃうんですけど、あと残りの△4枚のうち、これは入れたい、というのがあるかどうか。で、僕はさっきから言うように、ライル・メイズを入れたいわけ。フレッド・フリスは取り下げましょう、って感じ。あとは須藤さんの2枚、日野さんとグローヴァーをどうするか。
須藤:
グローヴァーはしょうがないですね、バツ。そこはデヴィッド・サンボーン先生にお任せしましょう。プーさん、日野さんなんですよね。だけど滅多に出てこないアルバムなんですよ。
原田:
あ、そうですか。
須藤:
話題にならないんですよ。やはり『ススト』が巨大すぎて。
後藤:
じゃあさ、オレがさ、アル・ヘイグは下げてもええわ。
須藤:
えっ、すみません。
後藤:
あれ、別にどうしてもなきゃいけないってわけじゃないから。
村井:
談合だなー。
後藤:
悪いアルバムだとは思わないけど、どうしてもあれが80年代かっていうとそういうものでもないからな。
須藤:
じゃ、私はマイク・ノックの『オンダス』を下げましょう。
益子:
枠余らないですか?(笑)
須藤:
いや、これでちょうどぐらいじゃないですか。
村井:
マイク・ノック下げて、ライル・メイズ入れて、アル・ヘイグを下げて、日野さん入れる。そうすると、どうですかね。
村井:
最後、八田さんがどうしても入れたいとか、こんなの入れちゃダメです、とか言って一から始まったりして。
後藤:
朝まで談合とか(笑)。最後はジャンケンで決めようとか。
―集計中。バックで、ジュリアス・ヘンフィルがまだかかっている―
後藤:
これ、カッコイイなぁ。
原田:
カッコイイし、これステキですよ。見つけたら買ってください。
後藤:
思いの外、すっきり決まったね。
益子:
いやいや、なるべく紛糾しないように段取り決めてやったんですから(笑)。
後藤:
なんか、わけわかんなくなるんじゃないかな、と思っていたんだけど。
益子:
八田さんにはこの集計が出た段階で見てもらって、参加してもらいましょう。
後藤:
一応、意見を聞いてみましょう。
―再度集計して、この時点でピッタリ100枚―
益子:
じゃ、これで100出ましたので、八田さん待ちましょう。
後藤:
やったじゃん。
村井:
すごい、すごーい。
後藤:
いいじゃん。
原田:
ヘンフィル残っちゃいましたね。すごいなー。ちゃんと残ったのがステキですね。
村井:
めでたいねー。
後藤:
けっこういい線いったんじゃないの、バランスとれて。
須藤:
今日だけでもセロニアス・モンク集3枚あるんですよ。
村井:
モンク集の時代、ってタイトルでいこうか。ハル・ウィルナーとランディー・ウェストンと、『インタープリテイション・オブ・モンク』。
後藤:
おれは充分あり得ると思うよ、いい話じゃない。
益子:
ポストモダンの時代にはモンクなんですよ。90年代にもいろいろありますよ。
須藤:
でも、ここでやってる人達はモンクの世代の人たちなんですよね。
後藤:
これ一覧にしたら、改めて80年代が見えてくるよ。
須藤:
年代順にしたらおもしろいんじゃないかな?
村井:
年代順っていうのが一番いいのかな?
須藤:
時代が見えるからね。
後藤:
得点の高い順ってあんまり意味ないもん。
村井:
話としてはおもしろいだけでね。
村井:
ミュージシャン・トリビュートのアルバムが増えたのって80年代ですよね? きっと。
須藤:
死んじゃいましたからね。80年代死んじゃうのって、(ビル・)エヴァンスから始まるんですよ。
後藤:
今日須藤さん、音源、実際に持ってきてくれてよかったよ。ないとさぁ、積極的に推せもしないし、ダメとも言えないし。
須藤:
このぐらい持っているのって、私ぐらいだし。
原田:
そうですね。圧倒されてしまいました。ところで、なぜ80年代をやろうという話になったんですか?
益子:
80年代だけじゃなくて、問題になったのは70年代以降のものってあんまりちゃんとしたディスクガイドがないということと、70年代以降の定番といって出されているものが、ちょっとどうよ、っていう感じがあったので…。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。