FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.31

お寒いありさまの80年代盤のCD化事情

須藤:
でも、実は今回選んだやつって、ほとんど手に入らないんですよ。
原田:
えっ? これで?
益子:
CDで?
後藤:
そう?
須藤:
半分は無理。
村井:
半分無理かぁ。
原田:
そうですか?
須藤:
アマゾンのマーケットプレイスで見ると3万円とかね。
益子:
アマゾンのマーケットプレイスはめちゃくちゃですよ。
原田:
えー、そうなんだ。
村井:
確かにさ、ECMだってマイナーなものはもう無理だし、エレクトラ系はもう無理だし、グラマヴィジョンも全滅だし。
須藤:
渡辺香津美ものも、オーネットだって、一部は手に入らないし。
益子:
『うたかたの日々』もダメだし。
須藤:
『うたかたの日々』はどうにか在庫があるみたい(笑)。
村井:
そんなにダメなんだ。
益子:
でも、在庫切れたら終わりでしょう?
原田:
現状はそんななんですか?
村井:
じゃ、しょうがない、ネットラジオでかけるか。
須藤:
これで少しでも再発して、80年代が脚光を浴びればね。スタン・ゲッツだって無理でしょう。『ヴォヤージ』は最近出てきましたよね。
益子:
デッド・ストックが出たとか言ってね。
須藤:
どこのレーベルでしたっけ。
益子:
確か、ブラックホーク。
須藤:
フィル・ウッズが山のように出た。
原田:
そうですかぁ。
須藤:
だからこれやることは、凄く意味があると思うんですよ。こんなのあったねぇーって。そういえばジェームス・ブラッド・ウルマーの『ブラック・ロック』はリミックス盤が売ってました。
原田:
そんなのあるんだ。
村井:
ふーん。
須藤:
日本でリミックスした人がいるみたい。
益子:
どうやってリミックスするの? 元々グジョグジョなのに(笑)。
村井:
ますますグジョグジョなのかなぁ? 不思議なことやるなぁ。
須藤:
キースのスタンダーズも3枚組ボックスじゃないと手に入らなくなっちゃったし。
後藤:
そうなの?
須藤:
ECMの輸入盤はそうです。あっ、国内盤もかな?
後藤:
酷いなぁ。それはおかしいなぁ。
須藤:
アイヒャーの策略ですよね。
村井:
今度『コドナ』の3枚組が出るんでしょ?
須藤:
『コドナ』はもう手に入らなくなっているから。
後藤:
3枚もあるの? 2までは知っているけど。
益子:
キースの3枚組はひどいですよね。リマスターするとか言っていたのに、そのまま出しちゃったでしょ。
村井:
あれはね、実は日本国内では凄く問題になったんですよ。
須藤:
だって、宣伝していたんだからね。
後藤:
ふーん。
村井:
だって、キースの3枚なんてみんな持っているわけじゃない。それをボックスに入れてリマスターをアイヒャーが特にやってっていうことで予約とって、やりませんでした。ってことになったわけよ。
須藤:
国内発売になったんでしたっけ?
村井:
お詫びのメールは来ていたよ。
後藤:
それひどいなぁ。
村井:
僕は予約したわけじゃないけど、メディア関係者の人達にって。
―そこに八田到着―
益子:
八田さん、落ち着いたら、まずチェックしてもらって、これはいらないから、とか、これを入れろとか、言っていただければ。
八田:
いえいえ、そんなことは全くございませんので。
益子:
まぁ、一応見てから(笑)。
村井:
八田さんの単独選びのものについては、二つぐらい落ちているけど、あとは入っていると思います。二つ落ちているっていうのは、知らないからって理由だから(笑)。
八田:
ハンク・クロフォード、残ったんですか?
村井:
残している。
須藤:
ソウル・ジャズ1枚残しておこう、って。
八田:
もっといいのがあるかもしれないですよ。
一同:
八田:
私は好きですけど。
後藤:
いいじゃん、自分が好きだったら。
八田:
今日はいつから始めていたんですか?
益子:
4時スタートだけど、実質的には5時から。
後藤:
5時間はちゃんとやっていたよ。
村井:
おもしろかったね。これは何かの目的がない限り、単にこんな集まってね、5時間もお酒も飲まず真面目にやらないよ。
八田:
ノン・アルコールだったんですか?
一同:
そりゃ、そうだよ。終わったからやっと飲めたんですよ。
後藤:
アルコール入りだったらメチャクチャになっちゃうよ。
益子:
てめー、この野郎、こんなもん入れやがって、とか(笑)。
後藤:
そうはならないけど、なんでもいいや、って。
村井:
一瞬そうなりかかったときもあったけどね。
八田:
へー。
須藤:
1枚ものの選別の時ですね。
村井:
だって、その人しか知らないっていうアルバムがけっこうあるから(笑)。
須藤:
すみません!
後藤:
聴いたことないから、イイも悪いも言えないし。
須藤:
90年代編の時は気をつけます。
益子:
でも90年代以降は、もっと本当に誰も知らないっていうのが出てきますよ。
後藤:
当然そうなってくるでしょう。
八田:
え? 90年代はけっこうあるんじゃないですか?
須藤:
90年代はけっこうないよね、ってさっき話が出ていたんですよ、ばらけますよ。
後藤:
じゃ、90年代はもっと沢山、八田さんに出してもらおう。
益子:
試聴会をやらないとダメかもしれないですね。
原田:
90年代かぁ…。
村井:
まだ真面目に考えてないんだけど、極端な話、日本で出たものって、ほとんど無いんじゃないかっていう気がする。
後藤:
ぱっと思いつくのって、10枚〜20枚ぐらいしかないなあ。
益子:
もしかしたら全員が出しても100枚にならないんじゃないかとかね。
後藤:
オレ、そうなりそうな気がする。それで揉めるよ。
須藤:
90年代に入ると、ECMもなくなってくるんですよ。
村井:
また逆に、90年とかはあるかもしれないね。80年代で入れようとしたら90年代だからやめよう、というのもあるしね。
須藤:
90年、91年はあるかもしれないけど、98年とかに何ありましたって言われても何あるか覚えていない。
八田:
でもケニー・ギャレットの『トリオロジー』とかありましたよね。
後藤:
オレはそれ挙げるけどね。
原田:
あ、そうですね。あれは挙がりますね。
後藤:
あれは傑作。
須藤:
ひとり1枚(笑)。
八田:
90年代の6枚っておもしろい(笑)。1年1枚ずつ。
村井:
人がもっと限られてくるのかな。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。