FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT | 21世紀の定番ジャズCD

1980年代のジャズ 100CD 選考座談会 vol.32

八田の参加で血を見る状況に?!

八田:
(表をみながら)○がついているのは別に異議ないんですけど、Xがついてるのをみると、なんかエライことですね。
村井:
エライことですよ。
八田:
なんか血が流れる感じですね(笑)。
後藤:
えー、そう?
須藤:
実はみんな腹に一物抱きながらね。
村井:
オレ、一人だったら入れるのに。
後藤:
そりゃ一人だったら何でも入れるでしょう。
須藤:
いやぁ、これを見た菊地成孔さんが「なぜオレのを入れなかったんだ!」って。
村井:
まだリーダー作出てないでしょ、ティポグラフィカは90年代だし。
八田:
ああこのウィントン入りジャズ・メッセンジャーズ、私が挙げたのと、後藤さんが挙げたのは同じですよ。
後藤:
え? そうなの?
八田:
私が挙げたほうが完全盤なんですよ。
後藤:
あ、そうか。
八田:
あれは「ジョディ」という曲が後藤さんが挙げたほうは半分ぐらいしかないんですけど、私が挙げたのはくっついているんです。
後藤:
じゃ、差し替えよう。
八田:
テープが多分なくなったんでしょう。前半と後半がくっついているんです。
後藤:
知らなかった。
村井:
それはそれで忘れないようにしておいて。
益子:
あと決めなきゃいけないのは表記、どうしますか。カタカナ、日本語表記にするのか、英文表記か。
八田:
難しいですね。邦盤のタイトルが違うのもありますよね。
須藤:
日本で出ていないのも沢山ありますしね。
八田:
私が持っていた、メル・トーメも『ニューヨーク・マイ・ハート』というタイトルではないはずです。『ライブ・アット・ニューヨーク1980』とかそういったタイトルだったと思います、オリジナルは。
益子:
だから、輸入盤でしかないのもあるので英文で統一したほうがいいと僕は思うんですけど。
八田:
英文見にくいんですよね。ぱっと見。
八田:
(表をみながら)○が付いたものには全く異議ないです。
須藤:
復活折衝しますか。
益子:
ウォルター・デイヴィス入れろ、とか。
八田:
え? 落ちました?
益子:
落ちました。
八田:
えー。
一同:
(爆笑)やっぱり言った。
八田:
あれは私好きなんだけどなぁ。でも、後ろ向きですからね。
村井:
だからね、自分の選んだものの入れ替えは全然OKです。
益子:
あとね、これはいらないだろう、っていうのもありです。
後藤:
コレ外して、これ入れてっていうのはありです。
八田:
やっぱり『ステッピン・アップ』は入れるべきなんですね。原田さんお好きですか?
原田:
好きですよ。
八田:
「リバーズ・インヴィテーション」泣けますよね。うんざりするほど聴きましたよ。
後藤:
自分の出したものだったら、さしかえOK。
八田:
ジョン・ゾーンのコブラはどうですか? 結構重要かなと思うんですけど、私は聴きませんが。
村井:
コブラは重要だけど、つまらない。
須藤:
あれ、見ていたらおもしろいけど、音楽としては、どうかな、と。
八田:
『ソングX』もないんですね。
村井:
だからさ、メセニーはちょっと多すぎるよね、っていう話があったわけですよ。『トラベルズ』入り、『レター・フロム・ホーム』が入り、って6枚も7枚もメセニーっていうのはちょっとね、となったわけです。
後藤:
確かにメセニーの時代ではあるんだけどね。
八田:
マサカーもないんですね。
村井:
自分で取り下げちゃったの。
後藤:
弱腰だって言ってやんなさいよ。オレは足してあげてもいい、復活折衝
須藤:
ビル・ラズウェルは『ラスト・イグジット』が残っている。
八田:
キップ・ハンラハンは『ヴァーティカルス・カレンシー』がいいですかね?
村井:
これはね、談合が行われたの。
後藤:
オレがね、4つあったからどれか1つにしちゃおうって言ったの。
村井:
これは、『ヴァーティカルス・カレンシー』好きだっていう人が多かったの。ジャック・ブルースが好きだっていう(笑)。
八田:
でも、3曲目かな? ラテンっぽい曲はいい曲ですよ。
須藤:
デヴィッド・マレイでしょう。「タンゴ」かな?
村井:
だからその辺がさ、おもしろい。
八田:
どうしようかな、だったら、ハンク・クロフォード落として、『スコーピオ・ライジング』入れたほうが気分がいいかな。
後藤:
自分がいいんだったら、いいんだよ。
八田:
ウォルター・デイヴィス・Jr.を今自分のインターネットラジオでかけているんですけど、ものすごく反響いいですよ。5つ星もらったんですよ。アンリ・テキシエはものすごく不評ですよ。1つ星半とかですから。(爆笑)
村井:
ひどいなぁ。
八田:
40人ぐらいに採点されて1つ星半だからかなり客観的な評価だと思いますが。
須藤:
『スリー・カルテッツ』もダメだったんでしょ?
八田:
『スリー・カルテッツ』はすごい評価高いですよ。なんかよくわからないですよ、アメリカ人は。
益子:
アメリカ人は快楽的なものにしか反応しないから。
須藤:
アメリカ人はダメよ。
八田:
ウォルター・デイヴィス・Jr.はよく受けましたよ。キップ・ハンラハンは『テンダーネス』のほうが良くないですかね? 個人的によく聴いたのは『テンダーネス』なんですけど。
益子・須藤:
いや、ジャック・ブルースのほうがいい!(笑)
八田:
いいです。
村井:
そう言われても….って。
八田:
どちらでもいいです。
須藤:
カーネル・サンダースじゃなくて、なんでしたっけ? ベースの、ナントカサンダース。
益子:
フェルナンド・ソンダース。
村井:
カーネル・サンダースがベース弾いている、それは、おかしい。
八田:
ジョー・パスの『ジャンゴに捧ぐ』もいいアルバムですよね、パブロのね。
八田:
でも100枚の中に入っているものは全く異議ないです。
益子:
ウォルター・デイヴィス、入れてもいいですよ。
須藤:
ここはバーターで。
原田:
え、これ落ちるんですか?
八田:
これ、皆さん聴いてみました?
後藤・村井:
聴いてない。
後藤:
2階にあがって梯子外されたって感じ(笑)。
須藤:
原田さんが、これいいアルバムですよ、っていうのでソウル・ジャズも1枚ぐらいあってもいいか、って納得したんですよ。
原田:
いいんですよ、これ。
八田:
なんかしみじみですよね。
原田:
ビリー・プレストンも入っていますよ。
八田:
ビリー・プレストンがピアノ弾いているんですよ、歌わないで。
須藤:
101枚にしますか?(笑)
村井:
101枚って私の出ない本のタイトルですねー(笑)。
八田:
煩悩ってことで108枚にするってどうでしょう(笑)。
後藤:
いいねー。
八田:
1枚ずつ切っていくと解脱できます、って(笑)。
村井:
煩悩ジャズってイヤだね。
後藤:
煩悩ジャズ・セレクション。

※ この原稿は2008年7月5日に都内某所で行われた座談会の模様を再構成したものです。